脳が働く!シリコンバレー式完全無欠のバターコーヒーとは?
2015年 9月に発売され、累計販売部数14万部超えている『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』。シリコンバレーで成功したIT起業家である著者デイヴ・アスプリーが、自身の肥満と体調不良に悩み、15年間30万ドル(約3000万円)をかけて、編み出した食事法を紹介しています。
この書籍で紹介されている、バターとMCTオイルを入れたコーヒー、その名も“完全無欠(bullet proof)コーヒー”を朝食代わりに飲むと「痩せる」「空腹感を感じない」「頭が働く」とじわじわと人気を増してきていますが、一体どんなものなのでしょうか?
完全無欠コーヒーの効果とは?
1、脳の働きをよくし、前向きになれる
まずコーヒーを飲むと、幸福感を促すセロトニン、またやる気を起こさせるドーパミンとの脳内での放出が活性化されるという研究結果もあり、それによって気分が前向きになると言われています。
他にも、コーヒーのカフェインには眠気を覚まし、脳を働かせ、また、脳の炎症を抑える効果があると言われています。さらに長期的にはアルツハイマー症の発症リスクを下げたり、糖尿病の予防の効果もあるとか。
さらに、コーヒーに含有される油脂分(カーウェオールとカフェストール)も独特の抗炎症性物質であり、癌の原因のひとつでもある酸化とDNAの損傷を防ぐと言われています。コーヒーは短期的にも長期的にも、脳と体によい影響を与えてくれるようですね。
また、ココナッツオイルなどに含まれる成分、中鎖脂肪酸(Medium Chain Triglyceride=MCT)は、通常の脂肪の約5倍のスピードで消化されるため、すばやくエネルギーになります。またブドウ糖の代わりに脳のエネルギーとなることも知られており、アルツハイマー病患者の記憶力低下を抑制する効果があるという研究結果もあります。このことが、MCTオイルを入れたコーヒーを飲むと、脳の働きがよくなると言われている理由の1つです。
2、バターやオイルが空腹を感じさせない
良質のバター・オイルを、コーヒーと混ぜ合わせ、ミセルという状態に分解することで脂肪がエネルギーに変換されやすくなると言われています。実際にこのコーヒーにチャレンジした人から「空腹を感じない!」という声が多くあり、この本で推奨されているように、朝食はこのコーヒー1杯で十分といわれています。
3、脂肪を貯めにくく、燃焼しやすくなる
朝食代わりにこの完全無欠コーヒーを取ることで、MCTオイルが脂肪を貯蔵しようとする腸内細菌に働きかけ、脂肪の蓄積を抑え体脂肪を燃焼しやすくするといわれています。さらに、コーヒーに含まれているポリフェノールは、痩せている人に多く見られる”痩せ型菌”(バクテロイデス門と言います)のプレバイオティクス=すなわち“エサ”となり、痩せ型菌を増やす効果があります。完全無欠コーヒーは脂肪を溜め込まず消費しやすくするのです。
完全無欠のバターコーヒーの材料
- 高品質のコーヒー豆
- グラスフェッドバター
- MCTオイル
1、高品質のコーヒー豆
健康効果があるコーヒーですが、実は多くのコーヒー豆にはマイコトキシン(カビの二次代謝物である有害物質)というカビ毒に侵されていると言われています。実に、レギュラーコーヒーのほぼ50%がカビているというのです。 このカビ毒を避けるため、カビに侵されていない、品質のよいコーヒー豆を選ぶことがとても重要です。
日本には「スペシャルティコーヒー」という良質なコーヒーの判定基準があるため、それを参考にするのもよいかもしれません。
※スペシャルティコーヒーとは?
スペシャルティコーヒーとは、1、生産履歴がはっきりしている(誰が作ったかわかっている)2、テストによって味の良さが認められている 3、個性的な味わいがある 4、欠点豆が少ない(手作業で取り除かれている)という4つの特徴があり、日本スペシャルティコーヒー協会により認められています。下記のようなスペシャルティコーヒーをおすすめします。
2、グラスフェッドバター
グラスフェッドバターとは、穀物ではなく草を食べて育った牛のお乳から作ったバターのことです。一般的なバターは、トウモロコシや麦など穀物を摂って育った牛から作られていますが、牧草のみで育った牛のお乳から取れる脂肪分には、コレステロールや中性脂肪を減らす効果のある不飽和脂肪酸が多く含まれていると言われています。
完全無欠コーヒーには、ぜひ下記のようなグラスフェッドバターもしくはなるべく高品質のバターを使用しましょう。
3、MCTオイル
MCT(中鎖脂肪酸)とはココナッツやパームフルーツなどヤシ科の植物の種子の核に含まれている天然成分で母乳や牛乳にも含まれています。ココナッツオイルには約60%MCTが含まれており、100%MCTでできているオイルをMCTオイルと呼んでいます。MCTオイルには、主に日清オイリオと仙台勝山館のものがありますので、どちらかを購入するのがよいでしょう。
完全無欠コーヒーを作るために必要な器具
1、ミルクフォーマー:バター・MCTオイルとコーヒーを混ぜ合わせる
油脂分であるバター・MCTオイルとコーヒーを混ぜ合わせるには、激しくかき混ぜる必要があります。ミキサーなどを使うという手もありますが、このミルクフォーマーなら、先をつけてスイッチをつけるだけで、洗うのも簡単でおすすめです。
2、金属フィルター:コーヒーオイルも抽出する
コーヒーに含まれる油脂分(カーウェオールとカフェストール)をとるためには、ペーパーフィルターより金属フィルターがおすすめです。紙だとオイルを吸い取ってしまうためです。
3、タンブラー:混ぜやすく、保温しやすい
通常のマグカップを使ってオイルをかき混ぜようとすると、コーヒーが飛び出してしまう恐れがあるため、大きめのタンブラーがおすすめです。さらにサーモスのタンブラーは保温性も高く1時間以上暖かい状態で飲めるのがGOOD。
完全無欠コーヒーの作り方
1、まずはコーヒーを抽出
2、グラスフェッドバター・MCTオイルを入れる
3、 ブレンダーでかき混ぜる
完全無欠のバターコーヒーを試すときの注意点
※ミルクフォーマーでかき混ぜる場合はマグカップやタンブラーのサイズとのバランスに気をつけないと、コーヒーが飛び散ることになります!
※公式のレシピには、コーヒー2杯分に対して、バター大さじ2、MCTオイル大さじ2となっていますが、日本人の胃腸にはやや油脂分が多く、消化しきれない場合がある気がします。飲み始めのころはコーヒー1杯にバター・MCTオイルそれぞれ小さじ1程度にしてみるのがよいかもしれません。
※バターコーヒーが原因と特定はできませんが、コレステロールが上がってしまったという口コミが一部見受けられました。高脂血・高血圧などが気になる方は医師と相談の上、少しずつお試しください。
完全無欠コーヒーの効果のほどは?
このコーヒーのすごいところは、確かに脳が働くというか、午前中から昼ごろまでの頭のキレがよくなるような気がする点です。また、良質のオイルの腹持ちがよくお腹が長時間にわたってエネルギーが補充されているような印象があります。
私の場合は、痩せることが目的というよりは、仕事のパフォーマンスを上げたいという目的だったため、かなり効果を感じました。
ただ一方で、普段からあまり脂質を摂らない方にとっては、やや胃腸がもたれるような印象のあるかもしれません。私も当初調子に乗ってバター・MCTオイルを入れすぎてしまい、胃腸の具合が悪くなったことも…。
いずれにせよ、なかなか優れたメニューなので、試してみる価値は大きいと思われます。